17回目
長男を保育園に送り病院に。退院だ。
その日は連れて帰って初めて家族4人で過ごす。
ここの記憶がない。
その日の記憶がない。
楽しみにしていた家族の時間の記憶がない。
なぜだろう。
次の日、
長男を保育園に送り火葬場に。
ほんとは家族四人でドライブをしたかったがそうもいかない。
セカンドシートに次男を乗せてケイコが話しかける。
ゴリラは必死で平常心を保つ努力した。できていたのかわからない。
ほんとに明るい表情で話しかける。カーナビの指示通りに運転をする。
その日は暑かった。暑かったから次男が傷まないように綺麗な体で天国に送ってあげたかった。
火葬場についた。僕らしかいなかったから待たずに通された。
ここからあんまり記憶がない。二人とも震えていた。経験したことのない恐怖というかなんというか。。。そこしか覚えていない
棺を台に乗せて火葬する時、ケイコが取り乱した。
後にも先にもこれほど取り乱したケイコは見たことがない。
ゴリラ以上に次男を感じて、
ゴリラ以上に会うのを楽しみにしていて
ゴリラ以上に長男と一緒に過ごす事を望んでいた。
当たり前だ。
棺から離れないケイコをゴリラは引き離す。
ゴリラも許されるのであれば連れて帰りたい。
そうもいかない。
どれくらいの時間が経ったのか、
ケイコが棺から離れて、火葬。
火葬が終わるまで待った。
遺骨はもう、ほんと、少ししかない。
小さな小さな体だから仕方がない。
心から謝罪。
ゴリラ「ごめんな。お父さんは次男が好きやで。」って言っていた。
ケイコはしっかり遺骨を集めていた。少しでも多くの遺骨を。
小さな小さな入れ物にいっぱいになった。
ケイコ「次男。さぁおうちに帰ろう」
そうだ。1番辛いのは次男だ。
母親の顔をしたケイコを心から尊敬した。
続く