七転び八起き

こんな人間もいますよ

10回目

子供の名前はケイコがつけた。長男も次男もとても良い名前だ。

 

いろいろな書類にゴリラがサインしたが次男の名前を書くとこがなかったと思い事務員の方に聞くと、

事務員「死産になるのでご記入の必要はございません。」

要するにその世に生きて産まれていないので「生きた」という事でない。なので死亡届のような手続きはないようだ。

でも隣の部屋に次男がいる。そう思うと涙がとまらない。いろいろ手続き、業者を手配をしたのを覚えているがあまり記憶にない。

その中でも仕事の電話が鳴り止まない。ことの事情を話して今日だけは現場でなんとかして欲しいと伝える。そもそもゴリラがいなくても現場は回るのに仕事アピールしてくる独身男性の女々しい言動に怒りを通り越して心が無になった。そんな社員に現場の女性陣が激怒し10数人から説教を受けたらしい。その説教の報告メールもきた。

ゴリラ「(心の声)あぁぁこの人に言葉は通じないんだ。自分さえ良ければいいんだ。」

とそこにケイコの親御さん・ご親族から電話。

ゴリラ「ご連絡遅れましてすいません。先程手術が終わり今ケイコは寝ています。」

親族達「昨日定期検診で今日死ぬなんておかしい。病院訴えよ!どこの病院だ!!!」

ゴリラ「まず、娘さんの状態や長男の心配する言葉はないんですか?」

   「訴えて誰が得をします?お金なんて僕らはいらないです。」

   「もう連絡しないでください。」

と電話を切った。気がついたら22時を回っていて付き添いの人は帰らないといけなかったので寝ている息子を抱えて帰宅した。

 

 

続く